世界最大のパーム油生産国であるインドネシアが、「すべての食用油の輸出を禁止する」と発表し、世界の食糧価格と供給の混乱は新たな局面に

パーム油大国・インドネシアが食用油の輸出を禁止、価格高騰の恐れ

インドネシアのジョコ大統領は22日、食用油とその原材料の輸出を禁止すると発表した。禁輸は28日から。インドネシアは、食用油や加工食品の材料などに幅広く用いられるパーム油の世界最大の輸出国。世界で食用油の価格高騰につながる恐れがある。

パーム油はアブラヤシから作られ、カップ麺や菓子などの食品から、シャンプーや化粧品まで、暮らしに欠かせない多くの製品に使われている。 (朝日新聞 2022/04/23)

インドネシアでは、食用油の大生産国であるにもかかわらず、3月から「食用油の極端な高騰」が発生していました。以下の記事などにあります。
そのため、自国のための保護政策に動いたということなのでしょうが、このインドネシアの発表前後から「油関係の相場」は大変なことになっています。
カノーラ油の原料となるアブラナの国際先物価格は、史上最高値を突破しました。

カノーラの国際価格が史上最高値に
そして、主要な食用油の原料である大豆価格も、過去最高値に迫っています。

シカゴ大豆先物価格が史上最高値に迫る
 
日本は、食用油の原料となるもので、完全に自給できているものはコメ(コメ油)くらいですが、それも含めて、急速に価格は上昇していくと見られます。
また、このインドネシアの輸出禁止措置は、世界の食糧供給事情をさらに悪化させると見られます。
これについて述べていた米ゼロヘッジの記事をご紹介します。
インドネシアが食用油の輸出を禁止し、世界的な食糧危機を前に「大混乱」を引き起こしている
Indonesia Bans Edible Oil Exports, Sparks “Mayhem” As Global Food Crisis Ahead
zerohedge.com 2022/04/23
国家による食糧保護主義の台頭は、今年後半に世界を席巻する可能性のある大規模な飢餓危機を悪化させる可能性がある。
ブルームバーグによると、世界最大のパーム油生産国であるインドネシアは、国内の食糧不足を緩和するための保護貿易主義的措置を採用した最新の国だ。
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は 4月22日、すべての食用油とパーム油製品の輸出禁止が 4月28日から実施されると発表した。
ウィドド大統領はテレビ放送の中で、インドネシア国内の食用油価格の劇的な上昇を受けて、国内市場に十分な食用油の供給を確保することを目的としての禁輸措置であるとして以下のように述べた。
「国内市場での食用油を豊富に入手可能な状況にし、手頃な価格になるように、この政策の実施を監視および評価したい」
このニュースを受けて、トレーダーたちは、食用油とパーム油製品の世界的な供給がさらに厳しくなるという強気の賭けをしている。アメリカの大豆先物は 3%以上急上昇し、1ポンドあたり 84セントの過去最高値を記録した。
マレーシアのセランゴール州に本拠を置くブローカー、ペリンドング・ベスタリ社のディレクターであるパラマリンガム・スープラマニアム氏は以下のように述べている。
「このニュースは確かに騒乱を引き起こすでしょう。世界で最大のヤシ製品の生産国による輸出が禁止されたわけですから。これにより、世界中ですでに厳しい状態となっている植物油の入手可能性がさらに不確実になると思われます」
ウクライナの紛争は、世界の食用油市場を荒廃させた。黒海地域は世界のヒマワリ油輸出の 76%を占めているが、この地域の商業輸送は、ほぼ中断されている。
アルゼンチンを含む他のいくつかの国が食用油の輸出税を引き上げたため、インドネシアの動きは食品保護主義の高まりに拍車をかけている。一方、モルドバ、ハンガリー、セルビアは一部の穀物の輸出を禁止している。
食品保護主義の高まりは、食糧を他の国に依存している輸入国(中東やアフリカなど)にとって、 不足や不安を引き起こす可能性のあるもう 1つの懸念事項だ。
なお、ロックフェラー財団は最近、食糧危機がいつ始まるかについての時間枠を示唆した。
最後の「ロックフェラー財団は…」というのは、ロックフェラー財団の会長が、ブルームバーグテレビに語ったもので、端的に書いてしまえば、
「今後 6ヵ月以内に大規模で差し迫った食糧危機が始まる」
と述べています。
以下は、報道からの抜粋です。
ロックフェラー財団会長は、すべての地獄が解き放たれるまでのカウントダウンを開始した
ロックフェラー財団のラジブ・シャー会長は、 ブルームバーグ・テレビジョンに、「大規模で差し迫った食糧危機」が間近に迫っていると語った。
シャー会長は、「今後6か月以内に」 始まる可能性のある次の世界的な食糧危機のタイムラインとなる可能性があるものを提供した。会長は、ロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされた世界的な肥料供給の混乱は、危機に「さらに悪い」影響を及ぼし、世界中の作物収獲量が減少すると述べた。 (invesbrain.com)
 
来年からではなく、今年から世界の一部で本格的な食料危機が始まるとロックフェラー財団は見ているようです。

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